2012.01.30 Monday
突然変異。
去る21日、洗足池の弁財天で奉納舞踏したあと、皆で三田の慶応義塾大学で行われる土方巽シンポジウムへ行った。
私も尊敬する国際的な舞踏家、笠井叡先生の講演『舞踏の国際化について』がその目玉。
笠井先生の「舞踏は土方師が死んだときに共に死んだ」という言葉が印象的。
いろいろな意味にとれるが、笠井先生流の檄の飛ばし方だな、と思う。
世界各国で舞踏を広め、ワークショップを行っている笠井先生。
舞踏の国際化、ということに対しては、
「自分は舞踏の種を植え付けに行っている。そこから、思いもよらない突然変異が生まれることを願っている。」
、と仰られた。
奇しくも質疑応答で玉野弘子さんが、今の舞踏界には新しいスターが必要だ、と言われていた。
これは笠井先生と同じこと言っていたのだと感じた。
そして、私もそう思う。
今、第一線で活躍しておられる舞踏家たちは皆土方師の直弟子で、ほとんどもう六十を過ぎている。
あと十年経ったら舞踏はどうなってしまうのか、とも思う。
そういえば、以前、私の公演を観に来た評論家が、
「点滅の踊りは一見の価値ありだが、その出どころが分からない」
みたいな内容をツイッターに書き込んでいるのを見つけた。
私としてはこれは亜流とみなされていると解釈し、あまり良い気持ちはしなかった。
しかし、先述の笠井先生の「突然変異を望む」という話を聞くと、この評価もなかなか悪いものではないかな、という気もしてきたのだ。
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『聖なる術(せいなるアール)』
2012年5月5日・6日。
阿佐ヶ谷アルシェにて。