TEMMETSU/B-KIKAN

突然変異。
去る21日、洗足池の弁財天で奉納舞踏したあと、皆で三田の慶応義塾大学で行われる土方巽シンポジウムへ行った。

私も尊敬する国際的な舞踏家、笠井叡先生の講演『舞踏の国際化について』がその目玉。
笠井先生の「舞踏は土方師が死んだときに共に死んだ」という言葉が印象的。
いろいろな意味にとれるが、笠井先生流の檄の飛ばし方だな、と思う。

世界各国で舞踏を広め、ワークショップを行っている笠井先生。
舞踏の国際化、ということに対しては、
「自分は舞踏の種を植え付けに行っている。そこから、思いもよらない突然変異が生まれることを願っている。」
、と仰られた。

奇しくも質疑応答で玉野弘子さんが、今の舞踏界には新しいスターが必要だ、と言われていた。
これは笠井先生と同じこと言っていたのだと感じた。

そして、私もそう思う。
今、第一線で活躍しておられる舞踏家たちは皆土方師の直弟子で、ほとんどもう六十を過ぎている。
あと十年経ったら舞踏はどうなってしまうのか、とも思う。

そういえば、以前、私の公演を観に来た評論家が、
「点滅の踊りは一見の価値ありだが、その出どころが分からない」
みたいな内容をツイッターに書き込んでいるのを見つけた。
私としてはこれは亜流とみなされていると解釈し、あまり良い気持ちはしなかった。
しかし、先述の笠井先生の「突然変異を望む」という話を聞くと、この評価もなかなか悪いものではないかな、という気もしてきたのだ。

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『聖なる術(せいなるアール)』

2012年5月5日・6日。
阿佐ヶ谷アルシェにて。

- 01:18 comments(0)
奉納舞踏。
昨日は舞踏の始祖、土方巽師の命日だった。 
洗足池の弁財天で舞踏奉納するので参加しないかと、昨年暮れに玉野さんからのお誘い。勿論参加。 

一昨日がヒドい雪で、天気も心配されたが、やはり途中パラパラとヒョウが降り出すあいにくの天気。 
この寒さ、師の故郷の秋田のようで返って良かったかな、などと思う。 

参加したのは、32年振りにアメリカから日本に拠点を移された玉野黄市・弘子夫妻、とりふね舞踏舍の三上賀代さん、Dance Mediumの正朔さん、元大駱駝艦の筆宝さん、そして私。 
私と筆宝さん以外は皆、土方師の高弟であり、師に愛された方々。 
私は師の死後の弟子を自認しているわけだが、そんな私もその場に居られることを誇りに思った。 

自分なりの舞踏の正装でいらっしゃい、と言われていたので考えた。 
やはり私の正装は赤。 
赤色時代の路上の赤に、7年ぶりに袖を通す。 
皆、思った通りの和装であったので、多少異質ではあったが、それも良いだろう。 

ヒョウのパラつく中、皆で一時間ほど踊った。 
全く告知していないのにも関わらず、ギャラリーがいたのには驚いた。 

かじかむ手が心地よかった。 
- 15:35 comments(0)
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